プロジェクトマップ

Project No.1  宮古島プロジェクト

プロジェクトの概要

粗岩への断片移植

宮古島にて定置網漁業を行う砂川氏の協力を得て、意図的にサンゴを傷つけるのではなく、偶発的に漁網に絡まって採取されたサンゴの断片を計画的に養殖し、様々な状況下での断片移植の実証実験を行う。

サンゴの種類別生存率、着床媒体別生存率、海域環境別生存率など、断片移植によるサンゴ礁増加の可能性を探る。

粗岩への断片移植  
移植後2年経過 移植後3年経過 移植後5年経過
移植後2年経過 移植後3年経過 移植後5年経過

砂川氏のメッセージ

砂川氏のメッセージ

幼少の頃より宮古の海に携わってきた私は、25歳頃から本格的に海人(漁師)になりました。今から40年程前の事です。

宮古の海と言えば世界でも屈指のサンゴ・抜群の透明度・地形です。中でも、やはり「サンゴ」の美しさは特筆に値します。

私が海人を始めた頃は見渡す限りのサンゴ、当然沢山の魚がびっしりでした。しかし、今日では・・・。何時の日からかサンゴを食い荒らす「オニヒトデ」が大量発生し、サンゴは危機に陥りました。
その当時の町役場が立ち上がり、沢山の海人たちを集め船も出せるだけ出して、役場立ち会いのもと、「オニヒトデ駆除」に当たりました。

しかし、役場の予算内での賃金支払いに限界が訪れた頃、少しオニヒトデが居なくなったという事で「オニヒトデ」の駆除はさじを投げられることになりました。

その頃より、サンゴは死滅し始め、全滅の危機へと追い込まれていますが、わずかなサンゴのなかにも、お魚はまだまだたくさん生息しています。

海の中には、サンゴ礁を復元させる「法螺貝」という貝がいます。
しかし、その法螺貝を捕るのは私たち海人です。なぜなら、生活の為だからです。

タコだってそうです。タコにもお家があります。自分が捕まるかもしれない!と危機迫る時は、サンゴの中にだって逃げ込みます。そのタコを捕る為、つまりは生活の為、海人はサンゴを壊してでもタコを捕まえる・・・。

こうして海人の生計は成り立っているのです。

じつは「オニヒトデ」だけがサンゴを壊しているのではなく、生活のために海にかかわっている海人の行動にもサンゴの生息を阻害する要因が含まれているのです。

魚を捕る為に仕掛ける網には、サンゴが引っ掛かります。
処理に困った私は、テトラポットの「歯止め」にでもしようとテトラの下に捨てたのです。網を仕掛けて魚を捕る海人には本当に厄介なサンゴ・・・

しかし、折れてテトラの歯止めにしたサンゴはまだまだ生きていたのです!
「たまごを産み」、今では色とりどりの「サンゴ畑」として根付いているのです。

魚を捕る為には、サンゴを犠牲にする事など当然だと自負してきた私たち海人ではありますが、魚が減ってきている今日では、まずはサンゴを守り増やしていくという事に目を向け、意識の改革を行って行く必要があると気付きました。

このような想いから、BSAC Pan Pacific のサンゴ保全活動に協力することにいたしました。

砂川 富増

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