サンゴ礁再生事業概要

日本のサンゴ礁の状況


日本のサンゴの分布図。数値はおおよそのサンゴの種数。
(資料:サンゴのはなし・沖縄県環境保健部)

サンゴ礁を取り巻く状況は近年において大きく変化しています。 世界のサンゴ礁の58%が潜在的に私たち人間の活動(沿岸開発、生物資源の乱獲、海洋汚染、森林伐採や農地開発に起因する表土の流出など)によって脅かされているという調査報告もあります。また、温暖化等による大規模な白化現象や、台風によるサンゴ礁の破壊、食害動物による被害などもサンゴを死滅させる原因となり、サンゴ礁の存亡は国内でも各地で深刻化しています。

【白化現象】
サンゴの白化現象は、サンゴ礁の衰退を招く大きな原因の一つとされています。白化現象とは、造礁サンゴに共生している褐虫藻が失われることで、サンゴの白い骨格が透けて見える現象です。白化した状態が続くと、サンゴは共生藻からの光合成生産物を受け取ることができず、壊滅してしまいます。
サンゴの白化の原因は、温暖化等による海水温の上昇と考えられています。大規模な白化現象は1980年代以降急激に増加し、特に1997年から1998年にかけての世界的な海水温の上昇によって、それまでに例をみない大規模な白化現象が起こって世界中のサンゴ礁が大きな打撃を受けました。
【オニヒトデによる食害】
ナマコやウニと同じ棘皮動物の1種であるオニヒトデは、サンゴの生息する低緯度の海域に分布しています。サンゴを好んで食べるため、オニヒトデの大量発生が繰り返されることで、サンゴ礁は危機的な被害を受けるに至ります。
1950年代後半から1990年代中頃にかけて、沖縄島、宮古島、八重山諸島など各地でオニヒトデの大量発生し、サンゴ礁が被害を受けました。その後、オニヒトデの密度は正常化しサンゴ礁の回復もみられましたが、1996年に再び沖縄島恩納村の沿岸に高密度でオニヒトデが発生、漁業者が約18万尾を駆除しました。1983年以来、最多の駆除数だったといいます。 近年、奄美群島などでは再びオニヒトデが大量発生し、現在、緊急にその対策が求められています。

日本のさんご礁の約九〇%が分布する沖縄海域、その中でも本島周辺は、ほぼ壊滅的状態との調査結果が出ている。一九九五年に実施した環境庁の調査では、南西諸島海域にある約96000ヘクタールのさんご礁の約1500ヘクタールが失われたと報告。また、世界自然保護基金(WWF)が各国の被害状況を地図にまとめた。その結果、南西諸島は二番目に危険度の高い「絶滅危機」にランクされた。

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